海外通信奮戦記

哲学・考古学

芸術の位置付け‐天才は夭折?

 
「神が愛する者は夭折する(Wen die Gotter lieben, der stirbst jung)」ということばがあります。ゲーテのことばですが、最近そんなことばを思い出すことがよくあります。

 ニュース速報にもなることがあるタレントの逝去。一時代を築き、一世を風靡したタレントがこの世を去る時は大きな報道になることさえあります。先日、太平サブロー・シロ−のシローさんがこの世を去りました。ニュースを観て驚きました。

 漫才コンビではやすし・きよしの横山やすしもそうでしたが、芸をしっかり管理して生みだすというより、本当にインスピレーションで笑いを取る芸をする人がいます。そういう人は現代だけではありません。音楽家では、シューマン、モーツァルト等、短期間にその才能を一気に開花して世間を驚かせ、そして魅了し、短い生涯を閉じます。音楽や芸は神の領域とする説さえあります。昔は音楽は神学に並ぶ神を知る学問でした。

 本当にそうなのかと考えてしまうこともありますね。本当に神の域なら、もっと長く人を喜ばせたり、魅了したりしてもよいのではないかと。ただ、このような天才といわれる人には別の面もあります。昔から画家や音楽家、その他芸術家全般にいえることですが、人間性を疑う性格が共存していたことです。ワーグナーが音楽のためにあらゆる人や物をときには狡猾に利用したこと、精神的な偏重気質のあったゴッホ等、歴史の裏ストーリーなどに多数掲載されていますね。

 精神学者や心理学者の中には、短時日に大きなことをする人には気付かないうちに大きな精神的なプレッシャーがかかり、その均衡を保つため、ときには世間的には異常と思われる戯れや性癖を持つといいます。

 日本にかぎりませんが、芸能人には本当に夜の帝王などといわれる人が多くいます。そんなことが溜まりにたまって若くしてこの世を去るのでしょうか。夭折とは綺麗ないいかたですが、裏にはそんな情景があります。

 詩人でも、似たようなことがあります。芸術の裏にこんなストーリーがあるのかなぁ、とふと考えてしまいます。本来、高尚な芸術は情操の役割もすることがあります。

 スウェーデンボルグは『霊界探検』で有名ですが、著名な霊界研究者は天界は美の世界といいます。キリスト教徒でもありませんし、神学にそんなに詳しいわけではないので、よくは分かりませんが、天界=神=芸術(ギリシャ神話でも似たような構図があります)とすると、本当の人のこころに訴える芸術とは、現代でいう芸能とは違うのではないかと思いたいですね。

 美術館に行く機会も多いのですが、それ以外でも、いろいろなつきあいで芸術品を観に行ったり、絵画集をみてほしいといってもってこられたりして、ふだんからいろいろ見聞します。ときには、本当に意味不明な絵画もあり、感想を求められ、困ることがあります^^; 芸術=高い精神性ではないと本当に感じます。ゲーテのことばに逆らうのではないですが、芸術も社会の荒廃とともに退廃していっているような気がします。

 本当の芸術が興隆する日が待ち遠しいですね。




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